久しぶりのパラレル劇場です。

過去のパラレル劇場同様、メタ的なものや設定との差異がございますが、本編とはある程度無関係になりますのでご了承をば。

あと、なんかFC2のスマホからの更新ね、スペースで行間空けれないのよね。なぜか。だから、今まで私が書いてきたノアのはこぶねに比較すると読みにくくなるかも(現在はメールの下書き機能使って執筆中)

では、ごゆっくりどうぞ。

ちょこっとパラレル劇場

『小さなお姉ちゃん』

──世界に甚大な被害を及ぼした、前魔王による『文明を流す大洪水』から5年の月日が流れた。

勇者によって魔王は伐たれ、世界には平和が訪れたものの、各地に残るその傷跡はいまだ深い。

当時、ゴールドランクの旅の人として人類を護るための討伐作戦に参加したユウとティア。2人の背中を見て決意を固めたアルマは、魔王没後、王国騎士団に入団。王国を護るために新兵として活躍する日々を送っていた。

そんな中執り行われたある結婚式に、アルマは大きな感動を覚える。

今やすっかり『王国の1番のヒール屋』として成功している21歳のユウと、『5年経っても16歳のままの姿』のティアの結婚式だ。

身体の上では自分と同い年のティアの花嫁姿は、五年前に帝国でみたそれとは大きく違っていて、アルマは素直に2人の幸せを願うのであった。

もう、彼女は結婚式を壊すためにゴーレムを式場に集めたりはしない。

 2人の結婚式の晩も、幼い頃と変わらず眠りにおちるまでの空想を楽しむ彼女は、自身の花嫁姿を想像しつつ、瞼の裏の世界へと歩を進める。

そして彼女は、不思議な夢を見る。

△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼

剣を振るう音が聞こえる。

未熟な音だ。と、思う。

わたしが昔、お姉ちゃんに剣を教わったとき、お姉ちゃんは私の剣の音を聞いてアドバイスをよこしてくれていた。

『なんか、こう、もっと、ぶぅん!じゃなくて!ブォンって感じ!!』

そんな風に熱心に私に剣を教えてくれてたお姉ちゃんを思い出すとなんだか笑えてくる。今、ある程度の剣の実力を持ったわたしには、当時のお姉ちゃんが言わんとしていたことがなんとなく理解できるからだ。そして、わたしも誰かに剣を教えるとしたらそうするしか出来ないようなきがした。それが不意にわたしのお腹をくすぐったのだ。

しばらく遠くの剣の音を聞く、昔を思い出す、すると突然ひどい違和感を感じた。

上手く言葉にならないけど、私はこの音を知っている。ようなきがする。

知っているけど、違う。感じるその違いが文字通り違和感だ。

違和感を感じると同時に、不思議なことに目前に景色が浮かび上がってくる。

月明かりの照らす森の入り口、草原、そして、太陽のようにまぶしい色をもつ細くて柔らかい髪。

そして、違和感の正体に気がついた。

この剣の振りのストローク、力が乗って音が強まるタイミング、そして力が乗る度におなかから漏れる息。

全てが未熟だけど、中に間違いのないクセがある。私のよく知る剣のクセ。

間違いない、お姉ちゃんだ。私の知るお姉ちゃんの剣はこんなに未熟じゃない、けど、この剣はお姉ちゃんだ。

イメージが固まってくると、地に足がつく感覚が足先に伝わる。まるで夢の中にいるような、そんな気分だ。

夜露で少し滑る足元の草木を感じつつ、イメージの、音の持ち主の元へと向かう。

開けた草原と森の境界で、足下にマナ水のボトルを見つけ、樹に立てかかる鞘を見つけ、とうとう剣の音の持ち主を見る。

わたしは目の前の光景を疑った。

しかし同時にそれは、わたしにありもしない納得感を与える。

お姉ちゃんが、剣を振っていた。

いや、ちがう。

小さなお姉ちゃんが、剣を振っていた。

私は目元をこすった。

見慣れたアホ毛は月明かりを反射してふよふよと揺れている。

そこには小さなお姉ちゃんがいた。

見たこともない、見慣れた女の子が、一心不乱に剣を振り続けていたのだ。

「うそ……お姉……ちゃん……?」

思わず声が漏れてしまった。

そして、私の声を聞いた少女は、不機嫌そうに振り向いて言う。

「誰……?不審者は斬るわよ」

またも私は驚かされた。

その声も、高くはあったけど間違いなくお姉ちゃんだったし、振り返った顔なんかもう、それはもうお姉ちゃんだった!

平静を装い、私は軽く自己紹介をする。

間違いなくその少女がお姉ちゃんだったのに、あえて自己紹介をしたのは、私が未だにその現実を信じることが出来なかったからなのだと思う。

「え、えーっと、わたしはミラピ!王国の魔法剣騎士団の期待の新兵だよ!」

アルマと、名乗らなかったのは……なんだろう、警戒心?というか、もし、自分がタイムスリップでもしていたとしたら、この出会いが未来のわたしたちの在り方を変えてしまうかもしれないからとか、そんな非現実的なことを考えていたからだと思う。

そして、確認の意味と、好奇心から続けて口にしてしまった。

「こんばんは、お姉……ちが、ティアちゃん!」

「!?……なんで私のことを知ってるんですか!?え、えーっと、ミラピ……さん?」

「お姉ちゃんって呼んでね!なんで知ってるかって聞かれたら……うーん……」

それは当然驚くよねー……というか、本当にお姉ちゃんだった。正直今、わたし、愕然としてる。

だって、今日……わたしはお姉ちゃんとお兄ちゃんの結婚式を見てきて……あれ?変だよ?だってさ………うーん、難しいことはいいや。

正直に話していくのが1番よさそうだね。

しかし、いいね、これ、わたし、お姉ちゃんにお姉ちゃんって呼んでもらえるのかな!?

「わたしは、あなたの未来のお弟子さんなんだよ。あなたのことは、たくさん知ってるんだから。お兄ちゃんと結婚することとかね!あ、こうして独りで剣の練習していたことは知らなかったけど……」

私の正直な話を聞いて、目の前の小さなお姉ちゃんは目をまん丸くして、肩をすくめて詰め寄ってくる。

「おでしさん!?おでしさんって!?」

「お弟子さんっていったら……そうだね、おね……ティアちゃんが、私の剣の先生ってこと!」

「ふーん。でも、お姉ちゃんの剣、私の剣よりなんか細いよ」

あ、普通にお姉ちゃんって呼んでくれた。小さいお姉ちゃんかわいい。

「これも、私の先生が買ってくれた剣!レイピアっていうんだよ!」

「私が買ったってこと?嘘だよ、私そんなの買ってない!」

「未来のお弟子さんだからねー、まだなんだよ、きっと」

お姉ちゃんは、小難しい顔をして口先を尖らせている。

首をかしげる姿なんてまんまお姉ちゃんだ。

楽しい。またちょっと笑っちゃった。

お姉ちゃんってほんとに昔からそそっかしいところがあったというか、変わらないみたいなんだね。

こうなると、お兄ちゃんの方も気になるや。

と、思っていると、小さなお姉ちゃんがさらに詰め寄って無垢な瞳で私を見上げている。

「ねー、お兄ちゃんと結婚ってどういうこと?」

……あ、これは、正直に答えるとなんかあとあと駄目になるやつかも……。

それなら……

「お兄ちゃんっていうのは、わたしのお兄ちゃんのこと!つまり……えーっと、ティアちゃんも、わたしのお姉ちゃんになるってことだよ!」

「へぇー、お兄ちゃんってすごい!」

オブラートに包んでおくべきだよね。

でも、ちょっとイタズラしちゃう。

「そう、お兄ちゃんは凄いんだよ-、きっと、ユウくんと同じぐらい凄いんだから!」

どうだ!お兄ちゃんの話題も出したよ!

……って、あれ?

なんか、お姉ちゃん、不機嫌な顔に戻ってる……

「っ!?……ゆ、ユウなんて、別に凄くないですよ」

私は察した。

ふいっとそっぽを向いて鼻息を荒くしたお姉ちゃんの頬に涙の跡を見た。

そして、なんか、お姉ちゃんの剣士服、汚れてる。

たしか聞いたことがある。昔お兄ちゃんとお姉ちゃんは毎日のように手合わせをしていて、勝率が五分五分だったんだとか……。

おそらく今日はお姉ちゃんの負け。そして、悔しさを紛らわすためにこうして1人で剣の練習をしていたんでしょう、きっと。

あー、ほんと変わらないなー。お姉ちゃん。

しかしお姉ちゃん、わたしがお兄ちゃんの話題出しても知ってることに驚かないんだ。どうしよ、また笑いそう。

えーっと、そうだね、こういうときはお姉ちゃんがわたしにそうしてくれたみたいに、お姉ちゃんがお姉ちゃんを励ましてあげよう!

「うーん、そうだ。ティアちゃんの頭には、ユウくんにはない立派な角が生えてるから大丈夫!

みて、お姉ちゃんの頭もね、角がなかったんだけど、お姉ちゃんに憧れて角生やしたんだよ!

この角のおまじないがあれば!お兄……ユウくんになんて負けないんだからね!」

「ほんとう……!?」

そうだ!お姉ちゃんはこんなところで折れたりしない。

わたしは、いつもお姉ちゃんの力強い背中に力強いアホ毛をみていた!

このアホ毛はわたしの目標の象徴で、わたしの思う強さの象徴でもある!

わたしもお姉ちゃんみたいに強くなりたくて、王国騎士団に入ってからはいつも髪留めゴムでアホ毛をつくっている。

ちなみにマントはお兄ちゃんのローブのバサバサ感に憧れてつけている。

幼いお姉ちゃんを見ていると、昔のわたしを思い出して、つい肩入れしたくなっちゃう。

というか、このお姉ちゃんに対しては、わたしがお姉ちゃんじゃないといけない気がする。

それがきっとお姉ちゃんが私にくれた『お姉ちゃん』の姿であって、ここでわたしの成長をお姉ちゃんに見せてあげないと、このお姉ちゃんはあとで安心して私のお姉ちゃんにはなれないだろうからね!

………お兄ちゃんには悪いけど、私はこうして頑張って1人で剣を振っているお姉ちゃんにはまけて欲しくない。

ごめんね、お兄ちゃん………剣技……教えちゃうから……

「ほんとうだよ!よし、ティアちゃん、お姉ちゃんが、ティアちゃんに『お姉ちゃんの必殺技』を教えてあげるからね!これでもう、おね……ティアちゃんはユウくんには負けないよ!」

「お姉ちゃんの必殺技……?魔法剣?」

「うふふ、ちがうちがう、魔法剣は、お姉ちゃんの必殺技で、『お姉ちゃんの必殺技』ではないよ!」

「……どういうこと?」

言葉遊びがすぎたね、お姉ちゃん、困ってる。

わたしの言うお姉ちゃんの必殺技。それは、もちろん『剣技』だ。

結局お姉ちゃんとお兄ちゃんの中間をとって、魔法剣士になったわたしは使わない、『お姉ちゃんの必殺技』だ。

「こういうことだよ!剣技!『轟槌剣打』

!!」

わたしは自身のレイピアを抜いて、一つ小石を投げ上げると、それを狙って刀身を当てる。

手のひら大の小石は見事に砕け散り、飛び散った破片が少し先の樹にあたってバツバツと音を立てた。

実際初めてやってみたけど、意外とやればできるもんなんだね……。

「小石が……!!ミラピさん!!すごい!!」

「お姉ちゃんはもっと凄いけどね、お兄ちゃんも言ってたけど、お姉ちゃんの剣技はほんとインチキだと思うよ……」

興奮気味に鼻を鳴らしたお姉ちゃんに、私は苦い笑みを投げかけるしか出来なかった……。

その後、私は近くの大石に座って、しばらくお姉ちゃんの剣を見てあげた。

不思議な体験だったなぁと思ったけど、そりゃね、気がついたら部屋のベッドだったんだもの、不思議なわけだよね。

わたしは、夢を見ていただけだったみたいだ。

それでも、わたしはあれはわたしの産んだ妄想なんかじゃなくて、間違いなくお姉ちゃんだったと思うし、あのときばかりはわたしはお姉ちゃんのお姉ちゃんだったと思う。

部屋の壁に掛かっている愛用のレイピアには、ほんの少しだけ、覚えのない刃こぼれが増えていた。


ごめんなさいね!

実際にノアのはこぶね読んでる人しかわからない話になっちゃった!!

あと、本編読んでる人にはかなりデカイネタバレになっちゃった………

まぁ、パラレル劇場ですし……ね。

久しぶりに文章書いたけど、なんかわかりにくいな。

最後の絵ありきで物語書いちゃったから、絵見ればわかるでしょうと思って『小さいお姉ちゃん』とか、非常に難解な表現をつかってしまったり、さらに本編読んでない人には全く意味がわからないような部分にも全く注釈はいってなかったりと……誰に向けたのかわからない出来に………。

これは……自己満足の塊ですねー……。

ほ、本編は、読んだ人みんながわかるように作ってあるはずですから……その、うん……

これパラレル劇場ですから、うん。

さー、寝ないと。

今日も仕事だってんのになにやってんだか。寝ます。おやすみなさいm(_ _)m

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コメント
いいですね!
や、私なんて、いつも自分の読みたい話から順番に書くから、時系列めちゃくちゃですもん。
というか、自分自身が、ちらっと未来が見えたり過去が見えたりすると、余計に引き込まれて読んじゃう派なのです。
なので今回、とても惹きつけられました!
ひろさんのお話は、すごくわかりやすくて、しかも今回は、とりわけ丁寧で、優しさがあふれてて、これ好きです、なんだかうれしかった、面白かったです!
2016/12/03(Sat) 08:31 | URL  | 雪村月路 #-[ 編集]
Re: いいですね!
うっはーーー!!!やったー!月路さんから作品についてコメントもらっちゃった!!(*´ω`*)
ありがとうございます!嬉しくて鳥肌たちました!!

作品に関して月路さんはほんと真摯というか、自分の世界を誇っていて、大好きで、それと真摯に向き合い続ける月路さんの創作に対する姿勢は実は私的にはすごく勝手ですけど強い仲間意識とお手本意識がありまして、とにかく、私はそんな月路さんが好きなんですよ!
作品にたいする強い思い、偽らず、向き合い続ける『好き』に対する姿勢!!

物語の形につきましては、過去と未来をつなぐ構成が実は好きでして、パラレル劇場として本編とは関係ないと言いつつ、実は本編とつなげても矛盾しない作りにしたのですよ!!

あー、すごく励みになりました、目頭が熱い。
あの、月路さんとですよ、作品感に対して通じ合った感じが……(´;ω;`)

お互い、これからも自分の『大好きな世界』について向き合い続けましょう!
それが自分の作品に対する礼儀だと思いますし、創作者同士でつながるための鍵だともおもうのですよ!!
これからもよろしくおねがいします!!

ありがとうございますね!おかげで今日もがんばれる!
2016/12/03(Sat) 10:06 | URL  | 柚希 ひろ #-[ 編集]
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