てきとーでいいよね?いい?ありがと。はいスタート。







前回までのあらすじ

高校生になった是出良樹は、文芸部に入部を希望していた。
入学式の帰り、良樹は『ぶんげいぶ、入部希望者募集中ですー』とよろよろとチラシを配る三つ編み丸眼鏡のみるからに地味な先輩を見つけ、文芸部だと確信の上で入部届けを提出する。
が、そのチラシを配っていた人物こそ、文ゲイ部の唯一の部員、地皆のり子であった。

最初こそのり子は地味であったが、一度偶然良樹がのり子を押し倒してしまって以来、彼女は豹変する。

狂気のエロスティックラブロマンス開演。


─────


「はぁ、まいったなぁ。母さんの言うとおりに傘を持ってくるべきだったよね」

ため息の一つだってつきたくなる。放課後の部室から眺める灰色の空は、酸性のシャワーをとめどなく流し続け、僕に帰宅をあきらめさせる。
窓に向かった長机に両腕を置き、その腕に顎を乗せてもう一つため息をつく。テカテカのチョコレート色は白く曇り、雨空と同じ色を放ち、また僕を鬱屈とさせる。今更チョコレート色に戻ってももう遅い。

「あーいあい♪ああいあーい♪」

ドンっと、身体に覆い被さる暖かさが僕を我に帰した。
ちょうど端から見た僕たちは、幽体離脱で抜けていた幽体が身体に帰るように見えるだろう。でも、僕に覆い被さるその身体は僕の容姿をしている筈もなく、そののんきな歌声の持ち主は続ける。

「のりー子さぁーんだよおー♪」

地皆 のり子

部活の先輩だ。
背中に押しつけられた胸板に柔らかさは乏しく、頭頂部に落とされた顎先はただただ痛い。おまけに髪の毛をくすぐる鼻息は生暖かくて不愉快だ。
伏せ込んだ僕の頭に乗った三つ編み丸眼鏡が窓ガラスに映り込む。その恍惚とした表情は、まるで傘のない僕に対して喧嘩を売っているようで、容易に脳内戦闘ウィンドウを開かせる。

殴る←
蹴る
ぶっ飛ばす
窓から落とす

一つ上の女性に対するにはあまりにも物騒なコマンドしかなかったから一度はウィンドウを閉じるも、パスパスと尻を叩く腰の感覚にイライラは最高潮に達した。
のり子先輩は頭がおかしい。かわいい男の尻が好きだとかで、どうやら気に入られた僕は時折こうして犯される。その上いちいち腰の振り方が下手くそでイライラする。

「のり子先輩、お疲れさまです」

「うっ、お疲れさま……はぁ……はぁ……」

「あの……」

「あっ、ちょっとまって………もう少しでイキそうだから」

そう言うとのり子先輩は上体を起こして僕の腰をがっちりと掴んで力強く腰を振り始める。

「………」

「はぁはぁ……うっ!」

「………」

「うわあああああああああ!!!!」

「………」

僕の尻に腰を押しつけたまま、のり子先輩はニ、三度痙攣すると、息を荒くしてぱたりとまた僕に被い被さる。

「……イキましたか?」

「……うん、今日も良かったよ、良樹くん……」

「そうですか。そんなことより傘がないんですよ」

「流石文ゲイ部員!わきまえてるね!」

のり子先輩はたまに外国語を話す。
ちなみに文ゲイ部とは文芸部とは似て非なる部だとのり子先輩は言っていた。
かわいい男の子が犯される部だという。そして僕は文芸部と間違えて文ゲイ部に入ってしまったのだ。
文ゲイ部の『文』が一体なにを意味するのかを聞いてみたこともあるけど、『ロマンだ』とだけ答えられただけでムカついた。結局文ゲイ部の文というのがなにを指しているのかはわからず終いだ。
のり子先輩は乱れたブレザーを整えると続ける。

「よし子きゅんは、どうして私があいあいしてたかわかってるの?」

「ご自身がメガネザルであると、自己紹介をしていらしたのでは?」

「アイアイとメガネザルは別の動物。そしてそれ何気にストレートにショック」

「あと、僕はよし子きゅんではありません」

「私と相合い傘で帰るためだよ!よし子きゅん!」

「人の話聞けよ!!」

両手を頬に当ててくねくねいやーんしているのり子先輩は最高にムカつく。
そしてのり子先輩は人の話を聞かない。
相合い傘?のり子先輩と?冗談じゃない。

「のり子先輩楽しみだなぁ、良樹くんとの初めての相合い傘……!雨の放課後、微妙な距離を保つ男女……微弱な磁石のように徐々に触れ合う右手と左手は──」

「結構です」

「え?」

独りで両手をニギニギさせながら語り始める地味な女子生徒には早々に釘を刺すことにしておいた。
大体なにが微妙な距離を保つ男女だ。ついさっき自分の股を僕の尻に打ち付けていた人間の選ぶ言葉じゃない。

「え……ど、どどど……どうして?私のこと、嫌いになっちゃったの?」

「もともと好きじゃないですし」

「そんな!よし子きゅんは好きでもない女に尻を突き出してたっていうの!?」

「ええそうですよ。好きでもないのに、無理矢理犯されてたんですよ」

「よ、良樹くん……。
……興奮、してきた……!」

僕は会話をあきらめた。
きっとのり子先輩は僕とは違う次元で生きている生き物なんだ。
もうこの際『興奮してきた』発言は流しておこう。
もちろん、単に一緒に帰りたくないだけではない。
ちゃんと理由だってある。

「もーう、いいのよ?恥ずかしがらなくったってさ?相合い傘ぐらい、そこらの『メイク王派手ス』たちは平然とやってるよ?私は派手スは嫌いだけどさ」

のり子先輩は、化粧の濃い女学生を『メイク王派手ス』と呼んでいる。
こればっかりは気の毒な話なので紹介しておくけど、のり子先輩は幼稚園児のとき、髪を染めてた同級生に人形を壊されたらしい。それ以来のり子先輩は見た目が派手な人間を嫌っている。
あらためて紹介してみたら心底どうでもいい話だった。そして僕は恥ずかしがっているわけではない。

「いえ、僕は家に帰りたいんですよ。のり子先輩……絶対そのまま僕のこと家に持ち帰るじゃないですか」

最初にこの人の家に招かれたとき、肛門に唐辛子エキス入りのローションを塗られた事を僕はまだ許していない。

「……そっか……」

「………ええ」

「その発想はなかった!盲点だった!!………雨天だけにね?」

「………いえ」

「……あ、今日、ウチね、お父さんもお母さんもいないから。
でも、ちゃんと良樹くんはお家に返してあげるから!」

「………ほんとですか?」

「晩ご飯はピザでもいい?」

「……ん?」

「冷たい雨に濡れるのか!温かい私に濡れるのか!好きな方を選べっていってんだよおおおおお!!!!良樹!!」

「んんんん!?」

十分後、そこには右腕に絡みつくのり子先輩を家へと送り届ける僕の姿があった。


────

続きはWEBで。




反省?黒歴史?
しりません。私はただ、思うがままに綴っただけです。
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コメント
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2015/09/29(Tue) 22:11 |   |  #[ 編集]
Re: タイトルなし
鍵様こんばんは!
いえ確かによんでいただく前から適当とか書くのはよくないですけども……こんなに適当なものもなかなかないと思いますよ?(´`:)

という適当アピはここまでにして、せっかく何かを感じ取っていただいた様ですし、この物語についてすこし詳しく語らせてくださいな。適当とは書いてますけど、実はいろいろあるのです。

元はこの作品、試し描き漫画用に練っていたお話です。ですので、絵はありませんけど、のり子先輩の容姿は私の頭の中にすでにあります。
ちなみに漫画としてブログに載せようとしていた時のタイトルは『1P漫画』1P漫画と謳っておきながら、数ページにわたって物語を進め、読者様が『……?』と思っているところにのり子先輩が結局自慰(1P)にふけるというしょうもなくて低俗なオチをつけようと練っていた作品です。

それをこのたび文字にしてブログに投げたのは、単に私の現在の動きでは漫画化は厳しいし、タイトル通り、何となくムシャクシャして書き殴りました。

そこでふとやらかしてしまおうかとも思ったのはオチ。
せっかく鍵かけてまで語ったわけですから、伏せるためにここではあまり詳しくは語りませんけど、私は以前鍵様のブログのコメント欄にて『人物の死の魅力』について語らせていただいた事があることを覚えてらっしゃいますでしょうか?

その『死の価値』を表現するのに、なにげにこののり子先輩というキャラクターはぴったりでした。
ので、私今回、物語の最後にのり子先輩を殺してしまおうかと思ったのです。
……んでも、それは私のカラーとは違うように感じたし、なにより読んだ方に胸くそわるく思われたらアレかなぁと思って、結局中途半端な切り方をさせていただきました。

しかし、心のどこかでのり子先輩を死なせてしまうといいと思う自分もいました。

思いませんでしたか?こんな終始ギャグ調で、主人公に終始鬱陶しそうにされていたのり子先輩でしたが……もし、のり子先輩があっさり、もしくは無惨に生々しく死んでしまったらと。
そこまでギャグを放り投げて、現実を突きつける様に、です。
そのとき、主人公はどんな気持ちになるのか。それを語らせるとき、この物語はどういう雰囲気に変貌するのか。
正直、私は興味がありました。
日常を覆す極日常です、死は。なんとなく、積み上げたトランプタワーに息を吹きかけるようなゾクゾク感がありますよね。
なんの罪もなくて、まして、ある種の見方としては全く普通の女の子、のり子の死。これが物語や、それを読んだ人間に与える衝撃というか、鬱々感というか……うーん。うまく説明できませんね……。

いまからでも書き直してしまいましょうか?
何となく、そんな突き落とされるような死については私のブログだからこそ表現してみるべきかもしれませんね。
私のブログはさらけ出しているようで実は少し小綺麗すぎます。暗い成分を頻繁に取り入れようとは思いませんけど、白紙に乗った黒の一点というものも悪くはないのかなとも思うのです。




………うん、ふと我に返るとちょっと熱く語りすぎていましたね……(;¬_¬)
まぁ、あれです。私のブログではあまり生々しい『死』については触れていませんけど、過去に鍵様のブログのコメ欄で語らせて頂いたとおり、実は私は日常感のある死については深い興味を持っています。

ですから、鍵様の書く物語中でよくあっさりと人が死にますけど、私はそんな物語も好きなのです。自分ではあまり書かないだけで。

そして、たまには私もそんな物を書いてみたくなるのですよ。

2015/09/29(Tue) 23:00 | URL  | 柚希 ひろ #-[ 編集]
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2015/09/30(Wed) 00:27 |   |  #[ 編集]
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