最近全く物語にふれてなかった。

昨晩、久しくノアのはこぶね本編を更新したわけだけども『あれ?本編てこんな雰囲気だったかえ?』
となんども頭を抱えたため、急遽リハビリで物語を書くことにした。

題材は『ソラート』
ついで、こっちの本編にも関係なし。ただの一発ネタ。
どこまで書くかは未定。疲れたらやめる。

そいじゃ、書くよおおおおおお!!!(´・_・`)

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ソラート~朝焼け~ リハビリ

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 ──『空の喫茶店』
 私の居候させてもらっている喫茶店は、街の人たちにそう呼ばれている。クラフトさんがそう言ってた。なんでも、店の至る所に空の絵ばかりが飾ってあるせいだとかなんだとか。私のせいだ。
 クラフトさんとの出会いは約二年前、当時、叔母さん達の家で居候させてもらっていたときの話だ。
12歳だった私は叔母さん達に圧力をかけられてあらゆる仕事場にかり出されていた。でも、どこの仕事場でも使い物にならないと一月でクビにされてたんだけど、クラフトさんの喫茶店だけは特別だった。
食器洗いと簡単なオーダーしかできない私を、一月経っても、二月経っても、クラフトさんはクビにしなかった。毎月月の終わりに「来月もくるかい?」とだけ私に確認をとってくれて、最終的には四ヶ月もアルバイトをさせてもらった。
 その四ヶ月の間に、私はクラフトさんから色々なことを教わった。教わっただけじゃなくて、叔母さん達が恐い話とか、絵を描くのが好きなんだけれどもお小遣いがもらえないから絵の具が買えないこととか、いつか私が描いた絵がポストカードになって、遠くのお母さんの元へと届いてほしいと思っていることとか、いろんな話をきいてもらった。いつしか私は叔母さんの家よりもこの喫茶店にいることの方が断然多くなった。
 私の生活が大きく変わったのはアルバイト四ヶ月目のある日のことだ、私は叔母さん達には内緒で四ヶ月間貯めていたお金で絵の具を買った。
 仕事の出来ない自分がクラフトさんの喫茶店にいつまでも居座ることに罪悪感を覚えて、なにかお礼をしたいと思った私はクラフトさんに絵をプレゼントする事にしたのだ。私は空が好きだ、名前が『ソラ』っていうぐらいだし、鉛筆でも、クレヨンでも、いつでも空の絵を描いてきた。だから当然クラフトさんに贈る絵も空の絵にした。
 叔母さん達に見つからないように、みんなが寝静まった晩に何日も何日もかけて、私は少しずつクラフトさんへの絵を描き続けた。最終的にできあがったそんな空は、今みるとすごく下手くそだし、当時の私自身、その出来には納得がいかなかった。けれど、クラフトさんはずいぶんとそれを気に入ってしまって、涙を浮かべながら私の描いた空を受け取ってくれた。今でもその絵は立派な額縁にはめ込まれて、喫茶店の一番目立つ場所に飾られている。
 そうしてなんやかんやあって、クラフトさんが『いつでもソラが絵を描ける環境を』ということで叔母さん達へと頭を下げ、たくさんの金貨を用意して、叔母さん達から私を『買い取って』くれたのだ。
 私を厄介者だと思っていた叔母さん達は喜んで私を売りさばき、叔母さん達の家にいるよりも喫茶店にいる方がずっと落ち着く私は喜んで売りに出されたってわけだ。クラフトさんには、いくら感謝してもしきれない。

 そうして今日も、私は喫茶店の隅で青空の絵を描かせてもらっている。

「やぁ、ソラ、調子はどうだい?今日も失敗か?」

 「ハッハハハ」と笑っているこの初老のオールバックのちょび髭おじさんがクラフトさんだ。クラフトさんはいつもピシッとした黒と白の服を着ていて、ピカピカの革靴からお洒落なタイで首もと、つま先から、はてや頭のてっぺんまでピッ!としている。いつも白や水色、時々赤や紺の絵の具でぐしゃぐしゃのデニムのエプロンの私とは大違いだ。
 でもでも、私のエプロンだって捨てたもんじゃない。この前お客さんが「まぁ、素敵な空柄のエプロン!そんなのどこで買ったのかしら?」と驚いていた。そのお客さんの声を聞いた私は、困った顔をクラフトさんにむけると、クラフトさんやっぱり笑ってた。私は筆では描きにくい部分については指で絵の具をすくって直接塗り広げるのだけれど、どうもその指をエプロンで拭う癖があるみたいで、結果として、キャンバスに空が乗せられる度に私のエプロンにも空が転写されるという仕組みになっているらしい。

「……今日も……納得がいきません」

「そうか、私は今回の絵も素敵だと思うけどなぁ……いつか、あの額縁に入っている空に代わる空が出来るのを楽しみにしてるよ」

「クラフトさん、ほんとにあの絵が好きですよね」

「初めてソラに描いてもらったからな……なんて冗談は置いておいて、あの空の絵は、なんだか見ていると落ち着くというか、元気になるというか……まぁ、私は絵には詳しくないが、単純に気に入ったんだ」

冗談なのか……。と思ったけど、それは気にしない。
むしろ、私からすれば『初めて描いてくれたから』なんてお情けで置いてもらうよりも、気に入ったから飾ってるって言ってもらえた方が百倍うれしい!
 また笑いながら私の横の小テーブルにコーヒーを置いていくと、クラフトさんはキッチンの方へと消えていった。横目にそれを見てみると、コーヒーというよりもミルクだ。ミルクに少しコーヒーの味をつけていってくれる。苦いのが苦手な私に、クラフトさんは毎回甘々な飲み物を用意してくれる。

「クラフトさーん!ありがとうございますー!」

 お礼を忘れてたからキッチンに向かって叫ぶ。

 せっかくクラフトさんが飲み物を淹れてくれたことだし、それから蒸気がうしなわれない内に飲ませてもらおう。そうしよう。
思い立った私がちょうど休憩に入ろうと筆を置いた時に、カランカラーンって店のドアについているベルが荒々しく鳴り響いた。

「いらっしゃいませー……わ!カッコいい人……!」

「いらっしゃいませ。……ほぅ?ソラはこういう方がお好みかな?」

キッチンカウンターから顔を出してきたクラフトさんがにやにやしながら私の方を見て、茶化す。
思わず声に出てしまっていたけど、今回は仕方がないよね。なんだか王子様みたいな人だなぁって思う。
 入り口に立っていたお兄さんは、トパーズみたいな綺麗な金髪に、ルビーの様な綺麗な瞳を持っていた。服装こそは白シャツにカーキ色のハンチングハットで極々普通な様子だったけど、その琥珀の様な輝きを放つ革のブーツといい、隠しきれない高貴さ放つ人だった。
……と、思うだけ思ってみたけど、たぶん私は本物のトパーズも本物のルビーも本物の琥珀も見たことがない。ついでに高貴な方とお近づきになったこともない。
 そのお客さんを見るなり、クラフトさんが一瞬目を細めて渋い顔をしたのが気になったけど……丁寧なお辞儀と一緒にメニューを渡す様子を見るに別に不都合があるわけじゃないのだろう。そうだろう。



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つかれた。切る(´`:)
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コメント
おお
いつぞやの…!
実は少し読みたかったので、嬉しいです。
丁寧に綴られていて、心地よく読ませていただきました。
ありがとうございます。

はこぶねの本編も良かったですよ~。
いつもの雰囲気こうだっけ、と言われると、いつもより滑らかな感じ?
するする気持ちよく読めました♪
2015/09/21(Mon) 20:35 | URL  | 雪村月路 #-[ 編集]
Re: おお
月路さん!今晩は!(*´ー`*)
覚えててもらった上に読みたいとまで思っていただいてたなんて……!!
指で絵を描くという月路さんからのナイスアイデアも遺憾なく発揮させていただきまして、晴れて空柄のエプロンに対する説得力を得られました!
……あのくだりは、自分でも書いてて素敵だと思えましたよ( ´艸`)
このまま連載へと持ち込みたい気持ちがムラムラとでてきますけど、とりあえず保留です!
ノアのはこぶねもようやく盛り上がってきたことですし(汗)

ノア本編は…なんか、ギャグ調で進めてたかと思ってたら急にシリアス入っちゃいましたね……ユウとアルマを羨ましそうに眺めるティアという布石は一応うっておいたとはいえ、少々強引だったかもしれませんね(°°;)
ともあれ、早速よんでいただいて嬉しさでいっぱいですよ!拍手はずしちゃったので本当に読んでもらえてるのか不安で不安で(^_^;)
ありがとうございます!

やはり創作とは楽しむものですよね!月路さんからのアドバイス、しっかり生きてます!
おかげさまで今回の本編は四時間ぶっ続けで執筆させていただきまして、かなり満足気味です(*´ー`*)

これからも、楽しい創作、続けていきましょう(´▽`)ノ
2015/09/22(Tue) 00:47 | URL  | 柚希 ひろ #-[ 編集]
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