もしまた目覚めて会うことが出来たら、あなたは変わらず私を好きだと言ってくれますか?

 彼女と最後に交わした言葉は先の見えない再会の約束と、ゲームのルールの確認だった。
 目覚めた俺は状況確認のついでに記憶の根っこを掘り出してみる。俺が最後に眠った世界は、どこにもない。
 彼女の姿もそこにはなかった。

 神が生まれたとされるときから、万を軽く越える年数が経ち、人々は裕福になっていた。『娯楽の時代』とまで俺たちの生きた時代は呼ばれていた。俺はその時代に生まれた人間だ。だから、なぜその時代が娯楽の時代などと呼ばれるのかはよくわからなかった。
けど、昔の人間は日に8時間も、12時間も、それも週に6日も働いていたと聞くと確かに今は楽なのだろう。
 機械化が進みに進み、一部では機械が機械を管理する時代。こんな当たり前のことが、昔の人にとっては夢のような話だったそうだ。

 この好景気に入り、すでに四百年の時が経つ。
 そして今から百年ほど前、金持ちたちがおもしろい遊びを始めた。

『絶対に当たらない宝くじ』

と呼ばれるそれは、金持ちたちが金を出し合い、貧乏人を馬鹿にするために作られた宝くじだ。
 当選率が天文学的確率で、その宝くじに当たる人間がいたとしたら、そいつはトンネル効果を一日に三回経験することができるほどの偶然力の持ち主だとも言われている。
 当選金は、百人分の人生を数百回遊んで暮らせるほどのもので…とにかく、そんな宝くじを当ててしまってからだ。世界の全てが色を失い、世界の全てが信用できなくなった。わかるだろ?金が溢れるほどあるんだ、いくら豊かな時代になったところで、人間は人間なのさ。

 そんな俺の人生を変えた彼女、あいつがモノクロだった俺の世界にペンキをぶちまけたんだ。
 燃えすぎて溶けそうな大恋愛を経た後の虚無感。愛こそは本物だったものの、それ故に俺たちは世界の全てに飽き飽きした。
 そんな、鬱々とした退屈な日々で気づいたこと
─この人がいれば、ほかに何もいらない─
俺たち二人が出した結論だった。
 もう、世界になど興味はなく、二人で一緒にいれればなにがどうでもいい。そんな結論。
 そこで彼女は面白い『ゲーム』の提案をしてきた。

「寝ちゃおう」

彼女はそう言った。

意図を問うと、ゲームだと答えた。

 仮にこのまま数百年、いや、数千、数万年、2人が会えなかったとして、再会したときに『愛』を確認できるのか。
 誰一人知るものが居なくても、知るものが無くても、世界が全く違っても、変わらぬ愛を分かち会えるのだろうか。それが確かめたい。
これが彼女の提案だった。

──コールドスリープ──

 当時の最先端の技術を、俺と彼女は『買った』。
金持ちたちにくじの当選金の全てを返還するかのように投資をし、働かせ、作らせ、数年かけて完成させた完璧すぎる疑似タイムスリップ装置。

 俺の記憶は、二つ並んだメカメカしい卵形のベッドを前に別れを惜しむ彼女と、その機械の蓋が閉じられるところで途切れていた。


──────

「おはようございます!
いつまで寝てやがるんですかこの最後の人類野郎さん!」

 そして、目覚めた俺の向かいに立っていたのはパンツスーツ姿の桃色のツインテール少女。
 あまりにも欠点がない顔立ちは、どう見ても自然発生の美しさではなかった。
 状況整理を始めなくてはならない。どうやら俺は無事にコールドスリープから目覚めてしまった様だ。

「まぁ、起こしたのは私なんですけど文句あります?ねぇですよね、少し黙って私の話を聞きやがれくださいまし」

「君は……」



────



つかれた。
寝る。


メモ

主人公さんが目覚めたのは人類滅亡後の世界。

桃色ツインテは『アダム護衛兼監視用アンドロイド』

過去に機械が暴走したことによって人類は滅亡していた。
暴走の理由は、機械の単純な2択。『要』『不要』。
機械化が進むにつれて、機械のプログラムはどんどんどんどん効率化を進めるために最終的に判断を『要』か『不要』で決めるものとなった。
結果、機械は堕落した人間たちを『世界の回転率を落とす不要なもの』と位置づけ、『除去』した。

その後、機械が機械を産み続け、文明は続く。
『要』の意志に従って、新しい機械を生み、そうして生じる『不要』を排除する事で、ほぼ疑似的に人間の営む様な世界が出来ていた。
人間が老いたら死ぬ様に、機械も型が古くなったら『不要』と判断され、壊される時代。

そんな時代で、機械の判断が複雑化し、機械の中に疑問が生まれる。
果たして『不要』は本当に『不要』なのかという疑問。
そして機械は二分化する。
その疑問すらをも『不要』とし、徹底して不要を潰す派と
『不要』の中に『要』を探すため、要、不要の判断を不要とする派。

互いに戦争が起きてしばらく後、絶滅したはずの人類の一組の男女がコールドスリープ状態で発見される。

機械たちは、その男女の男を『アダム』、女を『イヴ』と名付けて監視、研究をしていた。

結果、不要派が『不要』の中に『要』を見つける。
しかしそれは皮肉なことに和解への糸口ではなかった。
戦争中、機械が機械を作らなくてはならないのは非常に効率が悪かった。
そこで不要派はメモリに残っていた『人間に関するデータ』より人間の価値を見いだす。
『男女が一組いれば、人間はねずみ算の要領で勝手に増えていく』
『人間は、生まれてからすぐに洗脳する事で思い通りに動く』
『利用すれば、勝手に増えて勝手に暴れる兵器になり、戦争が優位に進む』

機械が、かつて人間が機械を機械として扱ったかのように、人間を機械(兵器)として使おうと算段を立てる。

不要派がアダムとイヴの強奪作戦にでる。

なんとか要派はアダムの死守には成功する。が、不要派にイヴを強奪されてしまう。

主人公が、桃色ツインテにその話を聞き桃色ツインテと共に『イヴ─彼女─』の奪還に向かう。

って感じがいいかな。

以下こじつけ

機械が美男美女ばかり→個体識別にはやはり見た目や声、しゃべり方などの『個性』が一番手っ取り早いと踏んだ結果、自然と機械が作る機械にも個性が持たされる様になる。
且つ、メモリに残ったデータより『美男美女は優遇され、要』『不細工は不要』という人間のプログラムが反映され、不細工な機械は生産されなくなる。

主人公の存在価値
『機械は要と判断した人間の言うことを聞く』
って設定入れときゃ、主人公がお荷物にならなくてすむ。


登場人物

主人公(アダム)
宝くじあてて彼女とコールドスリープをする。
桃色ツインテのミスにより目覚める。

桃色ツインテ
要派のアンドロイド。
つよい。
『アダム護衛兼監視用アンドロイド』故に特別仕様。
主人公の『イヴ奪還作戦』を要と判断し、手を貸す。

彼女(イヴ)
不要派にとらえられた主人公の恋人。
もしかしたらもうすでに『解体』され、自動出産装置にされてるかも……(怖すぎ)



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コメント
あら面白そう!
このネタいいと思います!

ちょうど(?)昨日、マトリックスの三番目のやつ(一番最後のやつ)があっててね。なつかしいな、キアヌかっこいいなと思いながら見てたんだけど、その中で機械が「私たちは人間じゃない」=(意訳)「人間じゃないから嘘はつかない」=「目的のみに忠実である。他のことは最初から眼中にない」みたいなことを言っててね。はあ、なるほどそうかって、今更ながらしみじみ思ったよ。

このネタ面白そうだから、いつかまたつづき読みたいです!
2014/12/12(Fri) 09:06 | URL  | のん #-[ 編集]
Re: タイトルなし
おはのんちゃん!

唐突だけど

 き っ と 続 き は か き ま せ ん (笑)

でも気に入ってくれて嬉しいね!ありがとう!
マトリックスって一時かなり流行ったけど、実は私みたことないんだよねぇ…あれ(´ω` )
流行りものには食いつかないひねくれ者だったから、流行ってたものにほど疎いのよ。
でもあれだね、その一言にそれだけの意味が込められてるのってやっぱりすごいと思う、プロの仕事だね!

設定はそこそこ練ったからなぁ……だれか続き書いてくれないかな(笑)

ということで、今回も『落書き』でした!
落書きだったけど、読んでくれてありがとう(´▽`)ノ

2014/12/12(Fri) 10:04 | URL  | 柚希 ひろ #-[ 編集]
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