多忙です。
絶望です。
これもう誰かの陰謀です。

このテンションじゃノアのはこぶねかけません。

とりあえずリハビリというか、メンテというか……指先の動くままに……



─────


──なぁ、浩介…」

 深くて、透き通っていて、よく響く。まるで乙女ゲーのボンボン担当のような美しい声。俺は缶コーヒーを手のひらで転がすのをやめた。隣の男─翔─が美しい声を上げるときは、決まって俺に真面目な話をはじめる時だからだ。
 そっと、隣へと視線を動かす。ブランコゾーンの仕切り柵に腰掛けた、夕暮れのオレンジと紅葉の橙に身を飾る確かな美青年がそこにはいた。
 丁寧にセットされた前髪の先をつまみながら、翔は憂いの表情を見せている。
 こいつをこのまま額に納めて、ずっと眺めていたい。市松人形のような白い肌に、意味もなく頬の熱を上げた。
 翔の視線は真っ直ぐと公園の入り口を見つめていて、夏の忘れ物が燃える風景を逃がさない。ブランコしかない、小さな小さな籠の中。俺と翔。二人。

「なんだよ…」

 きっと、翔はこれから俺を困らせる。
 いつもそうだ、それが楽しくて俺はこいつと一緒にいる。
 俺の心を読んでみせたのか、翔は口元に寂しそうな笑みを浮かべ、言葉を、吐息を、秋風に運ばせる。

「おまえの母ちゃん……でべそなんだって……?」

 翔は、俺を困らせた。
 俺は、困った。
 俺は母ちゃんのへそをあまりまじまじと見たことがなかったため、翔のその問いに対する答えをすぐに用意出来なかったからだ。
 間を作るために一度缶を唇にあて、肺の中身を空に浮かべる。ほわりと白い湯気が上がり、そのもやは俺の頭を包むように俺の思考を釘付けにする。
俺はもう白い息のことしか考えられなかった、だから諦め、自嘲気味に皮肉を投げる。

「遺伝……するのかな……」

「ふふっ…しらねぇよ」

 答えは間違えていなかったようだ。翔の柔らかいほほえみが、どんな赤ペンよりも鮮明に、どんな筆ペンよりも力強く、俺に対して赤丸を書き入れてくれる。
 また一口缶コーヒーを持ち上げると、夕日と重なり赤い円を作り上げる。
 世界の全てが、俺を肯定している。そんな気分さえをも覚えて、可笑しくも無いのに笑みがこぼれた。

「……なぁ、浩介……」

「……なんだよ……」

 翔の視線が、初めて俺を捕まえた。
 目の前の整った顔立ちの男は、俺の様子を楽しむかのように、そのナイフの様な目元をよりいっそう輝かせ、口元を動かす。
 公園内に風が吹く。時間が止まったように感じた。
 よく彼の口の動きを見て、よく、彼の声に耳を傾けていないと聞き逃してしまいそうな、消え入りそうな声だった。
 しかしひとたび集中してみせると、その声はどんなに離れていたとしても耳元で囁かれているかのように鮮明で、どんなに耳を塞いでいたとしても内側から響くような、矛盾の塊だった。

 翔の声は、確かに言った。

──みてみたくないか?母ちゃんの…──

「──っ!」

 唐突に時を動かしたのは、細かな砂利の上を転がる金属の音。水気を含んだくぐもった音。
 俺は、缶コーヒーを落としてしまったようだ。

「コーヒーブレイクも終わりだな…。
浩介、行こうか」

「……どこに……?」

「……お前んちだよ。
見るんだろ?」

 そういって笑って見せた無邪気な仮面に、俺はうなずくことしか出来なかった。
 あまりにも裏がなく、あまりにも無防備。
 一つ間違えたら見てもいないのにその事実─母ちゃんのでべそ─を認めてしまいそうなほどに信用させられてしまいそうな暖かな眼差し。
 母ちゃんも今日はパートも休み。断れる理由がなかった。

「──母ちゃんのでべそを…」

 差し出されるままに握らされた手のひらは、確かに翔の手のひらだった。

 ありがとう。もしおまえがいなかったら俺は、二度と母ちゃんの秘密を知る機会を得ることが出来なかった。
 
 ありがとう。もしおまえがいなかったら俺は、そんな不思議な疑問を持つこともなく、ただただこの灰色の人生を白い炎で灰にしていた。

 ありがとう。翔。
 今度は、おまえの母ちゃんのへそもみせてくれよな。

──やーいやーい、おまえの母ちゃん……でーべそ」

 秋の終わりは、近い。

───
















もうやだ。
私は書けない。なにも考えられない。
寝よう。きっと起きたらもう苦しくない。
疲れたよ。月曜日なのにもう無理だよ。
先輩、あなた方の話、私は興味ないです。
いいから早く帰らせてください。つかれたんです。



………orz

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コメント
面白かったw
笑ったw さすがひーちゃん! ありがとうw
秋の夕暮れの公園を舞台に美少年二人という、ものすごく耽美な雰囲気を醸し出しながらの、この会話w
なんだ、この残念な脳のイケメンw 好きw
面白かったです(´▽`)

今日はなるべく早く帰れたらいいね!
2014/12/09(Tue) 11:38 | URL  | のん #-[ 編集]
Re: 面白かったw
意外とwwwwww好評wwwwwwwwwww


のんちゃん、読んでくれてありがとう、実はむしゃくしゃしてやったんよ、あれ。

もうね、なにもやる気が起きなくて、眠い目擦りながら半ばヤケクソで書いたのよね……( ´艸`)

最近いいこともあんまりなかったし、もう、歪んだ空元気を形にした感じで……。

機島さんへの拍手のお礼にも書かせてもらったとおり、しばらくはこんなヤケクソな更新が増えると思う。
それでもよかったら、もう少し忙しい時期の私に付き合ってくださいなm(_ _)m
2014/12/09(Tue) 12:20 | URL  | 柚希 ひろ #-[ 編集]
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