面倒なのであきらめました!!(潔し)


てことで、漫画用に練ってた話

『超撥水』

は丸々没です!!

ティアの身体が水をはじきすぎて、人間ショットガンになる話。
こう、『ぽた』って皮膚に水滴落とすとその水滴が『バヒュン!!』ってはじかれる話。
お肌用のスチーマーなんか顔に当てた日にはスチーマーに潤いを与えるほどに水分をはじき返すし、お風呂に入ろうもんなら湯柱があがる話。

ちなみにあらすじにある『全身から風が…』ってのは、あれです。
全身が空気中の水分を異常ないきおいではじいてるが故にそれが風みたいになってるって感じです。




創作が全く進まない。


創作が全く進まない。


ご飯たべてこよ……
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ああああ!!!!!!もうやだ!!!!!!







梅干しのはいったごはんですよがたべたい!!!!!!!!!
の続き


「なんてことを……!!早く!マナ水を!!」

全く身動きがないモココにティアは完全に目を回してしまっている。
しゃがみ込んでモココの傷の具合をみようとしたのだろう、杖をほおって完全に無防備な姿を晒しつつオロオロする。
しかしさわっていいものか悩んでいるのか、もしくは『確認してしまう』のを恐れたのか、その手は空気をなで回すばかりでなんの糸口もつかまない。
『やばそうならマナ水をぶっかけておけ』を信条とする彼女にとって、マナ水がリュックと共に爆発してしまった事実は大きい。

ライラはわざわざ睡眠の魔法を『槍』の形にした上でモココの身体を貫通させた。
倒れたモココが動かなければ死んだ、もしくは瀕死だと考えるのが普通。
ましてや、ティアだ。魔法には詳しくない、それが睡眠魔法だとは見抜けない。
しかも彼女の思考回路が
『大爆発=死』
そんな彼女にとってはもちろん『武器が身体を貫通』もなんとなしに『死』だ。
冷静でいる方が不自然である。

物言わぬモココを精一杯の冷たい目で見下ろす赤毛の男は、右手に魔力を込め、その手のひらをティアへと向けた。
一方ティアは、男の指の間より見え隠れする冷たい瞳を、燃えるような熱い瞳で睨む。

「モココさんが…モココさんに一体何の非があったってのよ!!」

「……邪魔な上に、鬱陶しかったんだよ……」

「ふざけないで!!!」

魔力のこもった右手を打ち払う生身の左手。
勢いよく立ち上がり、勢いよく声を上げる。
彼女は納得がいくわけがなかった、先刻は己の身体に大けがを負ってまでモココを庇ったにも関わらず、ここへきての殺害。
モココがなにをしたわけでもない、むしろ、ライラのためにのみ動き、事情も知らないくせに真っ先に味方をしていた。
にもかかわらず、ここへきての殺害。
理解が及ばぬ殺害。
ティアの頭に、はらわたに、魔力に、ふつふつとこみ上げるものがある

──怒り──

あまりにも理不尽だった、あまりにも身勝手だった。
モココの、真っ白で真っ直ぐな愛はどこへ行ってしまったのか。
妹にそっくりで可愛いというあの言葉は嘘だったのか。
ライラにとって彼女の命は、邪魔だと、鬱陶しかったと、そんな一方的で無責任な嫌悪感によってのみで簡単に壊せる程度のものだったのか。

──彼女の心を、気持ちを、全てを弄んだのか──

ティアの中にある、人並みの正義感と愛情、仲間意識、優しさ、平等意識、依怙贔屓、虚無感、様々なものが混ざる

混ざる

混ざる

混ざり合い、混ざり、混ざった後に残ったものはどす黒い何か──

「どうせ、初めから殺すつもりだったんだ。
死ぬのが少し早まっただけだろう?」

──音とともに、彼女の中で色が切れた。

白だけが残る。

「あんたを……殺す……!!!」

もちろん、そんな2人のやりとりはユウから見たら滑稽極まりない。
彼は少し離れたところで様子を眺めつつ、顎先を指でなでつつ、ついでに時折タマの顎下もやさしく撫でつつ、思考を巡らせていた。
『まったりしている場合ではない』と、痛む身体に鞭打ち、鼻先でユウの顔面を殴るタマに爽やかに笑いかけ、男は状況解析を進めつつ、見守る。

「はっはっはっ、いてえよ、タマ。やんちゃだなあ、まったく。傷口開くから大人しくしとけっての。
で、なにがあったんだ?
モココさんが酔って暴れたから寝かしつけたとか?うはは!
でもさ……なんか、さっきからどう見てもティアの奴の様子がおかしく見えるんだけど……気のせい……だよな?」

動かぬ2人に首を傾げていたユウの耳になにか、叫びのような声が届いたとき──彼は状況解析を止めた。

「──いやっ!なっ!?ちょっ!なんだ!?なにやってんだよあいつは!?
タマ!やばい!やばいぞあれ!
あいつ!なんか知らねえけど

キレてる

ぞ!?」

ユウがみる間に、みるみるうちにライラがボロボロになっていく。
さすがのユウですら青ざめるほどの魔法の乱打、連打、殴打。
光ったと思うと焼き、動いたと思ったら飛ぶ、追う、落とす。潰す。
サンドバッグなんて生やさしいものではない、前から、後ろから、上から下から左右から。
このままではライラの肉片すら残りそうにない、そんな薄ら寒さを覚えるような魔力の雨にユウは思う

──あいつは、魔法使い失格だ──

と。

教科書通りの『悪い例』の魔法使いがそこにはいた。
怒りに任せ魔力を爆発させ、暴走させ、破壊する。
異常にテンションの張った魔力を才能という無意識の反則のみで操る超人間兵器。
常識では考えられない魔法の扱い方だ、理論も魔法学もへったくれもなかった。
ユウのような一般の魔法使いからみれば、現在ティアが使っている魔法は危険で強力で邪道で不可解。

漢方薬にケーキを溶かしてできあがったプリンがご飯とよく合うパンが柔らかくておいしい。
そんな感じだ。

このままではまず間違いなくティアはライラを殺すだろう。
──相方に人殺しなんてさせたくない。
ユウの中での人並みの正義感と優しさが無茶な行動選択をさせる。
彼は無茶苦茶をするティアの魔法に当てられたのかもしれない。

「おい!タマ!『投げろ』!!
タイミングは任せるから!!頼む!!」

大まじめな顔で冗談みたいな名案を投げ込んでくるユウにタマも頭をやられる。
最早そこに理性、判断などというものは存在していなかった。
吹き飛ぶライラに向かって、杖を構えたティアが風魔法で加速しつつ魔力を溜めた時、タマがユウの端っこをくわえた。

「いまだ!やれええええ!!!」

『タイミングは任せる』
と言ったにも関わらず、勝手に混乱して命令をしたユウに、タマも混乱し、慌てた。

結果、タマがユウを『投げた』コースにズレが出た。
作戦は互いにわかっていた。
暴れるティアに向かって、タマがユウを投げる。ぶつかる。止まる。
そんな作戦だった。

しかし

ズレた。


「タっ…このっ…バッカヤロォォオオ!!!」

ユウも投げられた瞬間にそのことに気づき、タマへと罵声を投げつつ小さくなっていく。

『やってしまった』

タマが思って見つめた先の、予想を外れた予想通り。

ユウの身体は一直線にライラへと向かって行く。

「─モココ…ごめんな…」

彼の眼前に迫るライラのつぶやきが、彼の耳に届いた。
そして、向かったユウがその言葉の意味を考える暇もなく、衝突し、入れ替わった。

──少女の鼻腔をくすぐった、メイプリルクールの香り。

目の前の赤毛が弾け飛び、代わりに割り込んできた黒いもの。

止まらぬ杖先が、その黒いものを全力で殴打する。


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彼女にとって、最早無抵抗に近いモココに杖を振り下ろすなど容易いことだった。
あくまでも、身体的な意味であってだが。
精神的にはこれほどまでに重い杖はない。

彼女は今、罪無き者の命を奪おうとしている。

愛する者の為の犠牲。

綺麗事だ、言い訳でしかない。

それでもティアにとってユウはなによりも大切だった。
後悔するかもしれない、けれど、ここでなにもしない方がよっぽど後悔する。

あわよくば、ここでモココが気を失ってくれれば。
思い直して退いてくれれば。

彼女はそんなことを神に祈らんとする勢いで願う。
どう考えてもモココは意地で死のうとしているからだ。
はっきり言って死ぬ意味がない、それでも立ちふさがるし、無視してライラを仕留めに行っても無理矢理自身を盾にするだろうと思うとやはりどうしようもない。
仮にライラを先に仕留めることができても、仇討ちだといい、死ぬまで立ちふさがるだろう。
ある意味モココは、ここで死ぬことによりライラの中に生きた証を残そうとしている。
そして現実は無情だ、彼女は気を失うどころか、ふるえる両手でロザリオに魔力を溜めている。
誰もティアを責めることはできない。
もっと言うと、誰もモココも責めることもできない。

互いの掲げる正義が異なっていた。
全てを救えるヒーローなど存在しない。

結論はその二つだけだ。

「……ごめんなさい、大魔導師様……。
モココは、足手まといで邪魔かもしれないけど、嘘でもいいから、あなたのために生き、死にたかった。
役に、立ちたかったんです……」

「っく……この……バカが……!」

迷いに迷った杖が掲げられ、今まさに振り下ろされようとしたとき──

「──えっ……!?」

「かはっ!?……大……魔…様……?」

──ティアは信じられない光景を目の当たりにした。

まっすぐ、勢いよく、青白く輝く刃がモココの胸から飛び出した。
それは杖を掲げたティアの喉元寸前で止まり、彼女も状況を理解する。
モココの胸をライラの槍が貫いていた。
モココの背後に移動したライラによって刺された魔力の槍は、彼女が膝をつくと同時に光の粒子となって姿を消した。

「え……モ、モココさん……?」

「大魔導師…様?
どう……して……?」

光を失っていく瞳を包み込むように瞼がゆっくりと閉じられ、最期の疑問の言葉を口に、ティアの身体にもたれ掛かるように一度倒れ、そのままずり落ちるように床へと寝込んだモココはそのまま動かなくなった。
ティアは、倒れたモココを黙って見つめる他なく、言葉を失った。
動揺が表れた瞳は細かく揺れ動いている、音の発し方を忘れた唇はかすかに震えていた。

「モココさん…?
モココさん!!」

二呼吸ほど間を置いた後、目が覚めたかのようにモココへと呼びかける。
そして、この場で何度目になろうか

ティアは、またも冷静さを欠いた。

その様子を冷静に遠巻きに見ていた男が1人、口を開いた。
脳天気な疑問系は、タマの耳をビクビクと弾く。

「……はぁ?なんだあれ?
なんでライラさんがモココさんに睡眠魔法なんて……?
しかし槍の形とはまた派手な……
てか、え?
なに?なんでティアもライラさんもあんなに傷ついてんだよ!?」

そしてタマが、モココの登場以上に驚き苦しむのを忘れる。
タマの隣にあった扉が開いていて、中から1人の男が姿を現していた。

「……なっ!?え!?タマ!?お前まで!?
なんだよ!どうしたんだよその傷!?」

黒いローブは所々が裂けていて、その奥に見え隠れするかすり傷の数々より血を流す男。
その悪い目つきはよくよく見慣れたせいか、タマに妙な安心感をもたらす。

「ちょっと待ってろ!今すぐマナ水を……って、あれ?ティアのリュックはどこいったんだ?
あんなでっかいもんがどうして無くなってんだよ!?
……なんだよ、なにがどうなってるんだ……?」

きょろきょろと辺りを見渡す男の右手にしっかりと握られた、見覚えのある宝剣。
それは何者かの血によって所々が赤黒く染まっていた。
そばかす面の剣士はあわててティアのリュックを探しつつ、タマの様子に焦りつつ、意味が不明なティアとライラとモココの様子に眉根を寄せる。

「遅くなって悪かったな、思ったより手こずったよ……。
近づいても攻撃されても身体に変化はあんまり感じなかったからそのまま倒しちまったけど……ひょっとして騙された?」

口元からメイプリルクールの香りを漂わせる男。

──ユウ・ラングレル──

あろう事か、彼はその類い希なる剣の腕を持って黒の魔獣を征してきたのだ。

半ばすがるようにぼやいていたティアの
『メイガスエッジを持ったアリエスアイレス2の剣士が魔獣になんて』
という言葉は、少なからず的を射ていたようだ。


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──終わった──

と、ティアが思ったのもつかの間だった。

一瞬姿を消した雷玉が再生する。

「──なっ!?」

「私は……!!」

放たれ、またも直撃。
が、ティアには大したダメージはない。
一方モココは、ぐらつき、意識が飛びそうになり、呼吸もままならない。
それでもモココは魔法の発動を止めない。
モココの目からは既に光は失われている。
みぞおちへの重い一撃のみですでに半分意識を失っていたのだ。

「もっと……大……様……に」

「やめろ!!モココ!!!」

「まさか……!」

またも、モココは魔力を溜め始めたのだ。
もはや意識などない。
泡の混じった唾液と、血の気が引いていく顔色。
色のない瞳からは、理由がはっきりしない涙が落ち続ける。

「モココさん!……もう……!!」

もう一度。
モココのみぞおちへティアの杖先が入る。

しかし、またもモココは踏みとどまった。

「──なっ!?……モココさん……!?」

「あなたも……同じでしょう……ティアっち……?」

ティアの表情が歪む。あまりの執念に怖じ気付いたのだ。
モココの瞳に光が戻り始めた。
歯を食いしばり、みっともなく鼻水をすすり、それでも愚直に魔力を溜め続ける。

ティアが一歩下がる。

モココが、一歩前へ出る。

「愛する人のためなら……自分の身体なんて……!」

また、ティアが下がる。
まっすぐに彼女へと向けられる力強い瞳に、ティアの足が震え始める。
これ以上はモココを痛めつけることはできない。ティアはこれまでの経験から感じたのだ。
そもそも、ユウやティアの攻撃は魔物の命だって平気で奪える威力だ、気を失わせるためとはいえ、ほぼ一般人であるモココに対して何度も当てて、彼女の身体が保つわけがない。
しかし、気絶もしてくれない。
おそらく、次にまた同じようにモココにダメージを与えたら彼女の内蔵が破裂する。
そこまで読めるほどに、ティアは本気で彼女を殴っていたのだ。

──本気で死ぬ気だ──

彼女から感じる負の覚悟。

なぜ、モココが死ななくてはならないのか。

ライラも退けと命令をし、まして彼女は部外者であり、死ぬ必要はない。
よって、殺すわけにはいかない。しかし、やはり退かない。

ティアは武器を取り上げられた気分だった。
武器を持たず、抵抗を許されぬ彼女は、モココの成すその動きを見守ることしかできなかった。
そんな状況が彼女に恐怖を感じさせる。

「そんなの……間違ってる…!」

「間違ってなんか……ない……!
大魔導師様のためなら……私は……喜んで……。
あなたも、ホモさんのためなら……」

「……!」

ティアは大きな勘違いをしていたことに気づいた。
モココを部外者だと思っていたのは彼女とライラだけであり、モココ自身はライラのために初めから身を削る覚悟で共にいたのだと。
そして言われて気づく。自身も、ユウのために命をなげうつ覚悟を持っていたことに。

だからといって、モココを殺してもいいのだろうか。
自身がモココの立場であれば、殺されても悔いはないだろう。
しかし、ここでモココの命を奪ったとして、自身は後悔しないのだろうか。
またも、彼女には重すぎる選択だ。

自分の命と、他人の命を天秤にかける。

また、他人の命と、他人の命で天秤にかける

彼女はまた身動きがとれなかった。

しかし、モココを殺さなくては、ライラを殺さなくては、ユウだって死ぬ。

抵抗しなければ、もちろんそれでもユウは死ぬし、自分も死にかねない。

命の奪い合いにおいて、無責任な善意や迷いは枷になる。
以前、マリエッタはそんなことを言っていた。

思い悩み、彼女が気がついたとき──

──その左手の杖には魔力がこもっていた。

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