こんな童話が昔あった。
男女の兄妹が、両親に捨てられるところから話は始まる──


──それで、それでね、2人は妖怪人食い魔法使い『ユウ』をかまどにほおりこんで!こう!ぼっこぼっこと──

──なんでかまどにほおりこんだのにぼっこぼっこと鳴るんだよ──


少女は忘れている、物語に含まれていたパンの末路を。
時は昼下がり、揺れる緑の奏でる合奏、濁りのない澄んだ空気。
道は、ない。
時折羽ばたく鳥の羽音も鳴り響く。
2人は念のために地図と方位磁石を確認しつつ道無き道をゆく。
ユウは地図に時折定規をあてて眉をひそめ、方位磁石をにらんでは地図を指でなぞる。
ユウの指先が撫でた箇所は、サウスパラダイスの北部を指している、地図上ではそこは緑一色で表されており、『フォレストエリア』と書かれていた。
つまるところ、森だ。
一方でティアはというと、口と一緒に手もせわしく動いている。
小難しい顔で、パンをちぎっては投げている。
投げている。

森に入るなりティアが始めた童話、両親に捨てられた兄弟が、森の奥でお菓子の家を見つける話。
わるーい魔女を、やっつける話。

2人のパンの行く末は、ティアの語る物語上で答えが出ていた。

「それでね!四人はね、2人が持って帰ってきた宝石でね、幸せなの!」

また、小難しい顔が食べ物を粗末にする。

「ふーん、新手の強盗か、やるじゃん」

大事な教訓はそこではないが、ユウは気にせずに地図との睨めっこを再開する。
内心ユウは嫌気がさしていた、歩けど歩けど同じ景色、木、草、獣、空、鳥。そして、パン。
緑と青と、黄色と動物、パン。
隣の太陽がなければ気が狂いそうだった、太陽はお話上手だ、パンをちぎりながらでもユウを退屈させない。
そう、ユウは退屈しない、お話が上手なだけじゃない。

ティアは、天然の芸人である。

それにユウは気づいていながらわざと知らんぷりをしていた。
時折、笑いをこらえていた。

「ユウ、あとどれぐらい千切ればいいの?
そろそろパンが小さくなってきたよ?」

少し不機嫌を含んだ疑問の表情に、また噴き出しかける。
流石にあきれたユウはここで初めてティアへと問う。
その表情はひどく歪んでいた、困ったような、笑っているようなバカにしているような、そんな顔。

「ティアっ、おまっ!うはは!バカじゃねえの!?
さっきからなにやってんだよ!うははははは!!」

「むっ!バカなのはユウだよ!こうやってパンくずを撒いておけば道に迷わないってさっきの童話のお兄さんが言ってたでしょう!?
なにがおかしいのよ!?」

ユウがまた声を上げて笑った。

「道に迷わないっておまっ!!ぎゃははははは!!なんでお前の後ろにパンくずあんのに目印になんだよ!?それ帰り用の目印だろ!?
お前!サウスパラダイスに戻る気かよ!!!
うはーっはっははは!!!」

「………あ」

「しかもおまっ!ついさっきよ!
『しかし、しかしだよ!そのパンは森の鳥に食べられてしまうの!!いざというときに…なかったの!!』
って言ってたばっかりじゃねえかよ!!うはーっはっははは!!!うおえ、げほっ!ほんとバカ!」

「………あ」

ティアは納得したかのような表情で、ちぎったパンを口に運ぶ。
今回ばっかりはユウの言うことが正しかった。

「…で、でも!じゃあなんでこんなにパンが散らかってるのさ!おかしいよ!!もぐもぐ!」

「はぁ?………え………?
は?………
なっ……なんだよ………なんだよこれ………!?」

そして、ティアの言うことも間違いではなかった。
道に迷わないための目印、いや、迷ったという事を知らせてくれる目印。

地団駄を踏んだ少女の指さす先には無数のパンくずが落ちていた、もはや鳥が集まったところでどうこうできる量ではない。
白い。
森の緑に混じって、律儀にビー玉サイズに丸められたパンの破片がキノコのごとく群生している。
ティアに言われて初めて気がついたユウも相当なバカである。
少女の指摘により、バカの表情もバカみたいに青々とする。
しかしその青はすぐに引き、少年は現実逃避を始める。

「……おい、ティア、お菓子の家が……

「ありません!
わかったよ!ユウ!私気づいたもん!」

「おう、迷った」

「ちょ!言わせてよ!
てか『おう、迷った』じゃないでしょう!?
そんなの知ってるわよ!今気づいたもん!
どうしてくれるの!?『この方が近道だから』って言って森に入って行ったのはユウでしょう!?なんで迷ってるのよ!迷ったら近道じゃないでしょう!?
──あ!タマ!そのキノコはパンくずだから食べちゃだめ!
いや、キノコも食べちゃだめ!──
今!どこにいるかわかってるの!?ユウ!」

「うん……申し訳なかった!!」

「あ!出た!出たよ!ユウ!それ!
自分が悪いと思ったらすぐに開き直るのやめなよ!
私それ、嫌いじゃないけど悪いとこだと思ってるよ!?
嫌いじゃないけど!」

「つってもよ……今回はアレだろ?おかしいだろうよ、ほれ!
こんなの!いくらなんでも森突っ切った方が早えだろ!?
なんなんだよこの道の作り方!バカだろ!」

「……う……まぁ、そうだけどさぁ……」

ティアが気弱に納得するほどに、ユウの指さす地図は不自然なものであった。
ユウが指さす地図の、まん丸の大きな緑、ただの森だ。
ただの森なのに、その地図はどうだろう、道はどうだろう。
サウスパラダイスの真上に延びる地図の道は、その森に突き当たるところから森を縁取るように無理やり道が二手に分かれている。
そこだけではない、東西南北、その森はまん丸な緑を保っている、かなり邪魔なはずなのに、なぜかどの道も森を避けてつくられていたのだ、ただの一つも森を突き抜ける道など無かった。
不自然に森だけが地図に浮いていたのだ。

理由がわからない。
森を突き抜ける道を作った方が明らかに短距離で済むのにあえてそうしない道造りにユウは苛立ちを覚える。

ため息をつき、2人はまた緑へと消える。

何度も、何度も緑へと消える。

結局、緑が色を失うまで緑が消えることはなかった。
ひたすら歩きまわり、喋り、疲れ、怒る2人をあざ笑うかのように、夜が訪れてしまったのだ。

にほんブログ村 小説ブログ ファンタジー 小説へ
にほんブログ村


スポンサーサイト




というタイトルで記事更新!!

でも、ノアのはこぶねは本当にお休みします。
ちょうどサウスパラダイスも終わったところですしね!
謎に一日置きます!!


で、本日の本題です。

私、親切で心の優しい方にアドバイスと背中の後押しをしていただきました。

『チャット、あるよ』

って!(´▽`)ノ

そして

早速設置です!!

ちょっと張り付いて待ってみようと思いますので、皆さんも手軽に気軽に打ち込んでみてください!

チャットは私のブログのPC表示版のカウンターのしたにあります!

ぜひ、遊びに来てみてくださいな!



私、今日、考え事してました。

『コメント投稿専用記事』

なんてあったら幸せになれる人いるかなー?
なんて(´・_・`)

あの、なんといいますか、

憩いの場

ですよ、ぼうや。


ほら、やっぱり、私が書いてるのって、長編のお話じゃないですか。
長編って、それだけでもう読むのに体力気力、忍耐力を使うと思うんです。

ですから、私はノアのはこぶねに関しては読まないなら読まないでもかまわないと思ってるんです。

そこで問題にあがったのが雑談、絵カテゴリー記事。

ほら、あの、私って結構かまってな人じゃないですか(´▽`)
ですから、雑談記事とかもたくさんあげてるじゃないですか(´▽`)

コメントっていうか、みなさんと触れ合いたいじゃない?
え?ふれ合いたくない?

……排泄して寝ればいいとおもうよ、ふれ合いたくないとか思ったあなたは……

じゃ、こっから先の話はわた氏こと未定と触れ合いたい人向けの話。


『あー、さすが未定さんやで!
コメントしたいわぁ!……でも、あたいノアのはこぶね読んでないし……コメントしにくいな』

『なにこいつ。
ちょっと触れ合いたいわ。
でも、長い付き合いになるのは面倒や、コメントすんのはやめとこ』

『私、初めての人にコメントするの気が引けちゃってなかなかコメントできないのよねぇ』

って人、いるかもしれないじゃないですか。
50000000人に一人か二人くらいは。

そういう人たちのために、フリーでコメント投げ放題の記事とか一つあったらどうかなって。

ほら、あの、名前とか知られたくなかったら『匿名希望』とかでコメント書き逃げしていいような記事。

どんな内容でも遠慮なくコメントしていい記事。
私が今まで書いた記事とか、ノアのはこぶねとは全く関係ない内容でもいいから書き逃げできる記事。

たとえば

『未定さんって恋人いるんですか?』

とか、

『今日犬の糞踏んじゃったの、未定さん、靴洗ってくれる?(´・_・`)』

とか。
さらに私に向けたものでなくても

『だれかいませんかー?
話しましょー?』

とか、だれでもできるような記事。
需要あるかなって。

そう、もちろん私抜きにして、そのコメント欄使って顔もハンドルネームも知らない人同士が会話とかしてくれても良いような記事。

楽しそうじゃないですか?

……まぁ、でも、これやっちゃうとね、安全に、安心してみなさまが気持ちよくなれるようになるか否かがみなさんの良心にのみかかってしまうという危険もはらんでるのがアレなんですけど……(´・_・`)


そんな、誰でも簡単に人と繋がれるようなスペースを私のブログにおいてみたいなーとか、夢見ました、今日。


そうすればもっとみんなお互い仲良くなれますよね!
そうすれば、きっと創作とか更新とかも楽しくなるかなって。

コメント書くのって、勇気がいると思うんです、いろんな人がいますから。
でも、誰に向けたものでもなく、誰もが反応できるコメントなら、みんなしやすいかなって。
はい、いろんな人がいてくれますから。


うーん、私、ネットに疎いからよくわからないけど、実はもうそういうサービスって私が知らないだけであったりするのかな?(´・_・`)
TwitterとかFacebookとかよくしらないけど、そういうアプリが正にそんな感じなのかな?


私が目指すは心のバリアフリー。

人は、一センチの段差だったとしても、それが段差である以上は乗り越えないといけません。
心の段差っていうのは、たとえ一センチでも乗り越えにくいときってあると思うんです。

そんな小さな段差、それがさっきも書きましたが
『小説読んでないし』とか
『新しく続く人間関係億劫』とか
『相手が嫌がらない可能性がないわけでもないから気がひける』とか
なのかなって。

そう

時に人は一センチの段差も越えるのをあきらめる。

だから私は段差がないコメント欄を作りたいとか思っちゃったりしてます(´▽`)ノ


……需要、あるかな。
需要があったとして、始めたとして、本当に人、あつまるのかな……

『そういうの欲しい!』って人はお気軽に
『欲しい!』ってコメントくださいな。

いけそうだと思ったら、そういうコメント専用の記事、作るかも。
掲示板的なの。

記事の内容はコメント欄の利用の注意点のみとかね(*´▽`*)

チャットみたいにみんなが集まったらきっと楽しい…!
と、思った夜。







誰かに『焼け』と言われた気がしたのです。

ちょっと、反省してます。



例のごとく、中は真っ赤。
サイズは皿。

たぶん、私はこのあとおなかを壊す。
わた氏 ジャンボステーキに挑戦の続き


ユウは見かねて困ったように指で頬を掻く、無理矢理タマをリリーナからひきはがすのもいいが、タマの性格を考えるとそれだけはしたくなかった。

タマは、わがままなのだ。

一度試合を見ると決めたらずっとずっと帰ろうとしないし、一度試合に出ると決めたら試合に出してもらえるまでずっとアピールを続けるし、一度負けないと決めたら自分がどれだけ傷つこうと戦い続ける。

今回もきっと、リリーナが旅に同行するまであきらめないだろう。

ただ真っ直ぐなその瞳にリリーナの涙は止まらなかった。
あまりの無邪気さに怒る気力もなかった。
ただタマの頬に顔をすり寄せ、厚い化粧と涙をタマと分かち合うことしかできない。

そして、タマは単純にリリーナから離れたがらない。
少女の静かな嗚咽だけが、その場に響く。

「………」

「……ユウ……?」

突然杖を取り出したユウ、なんとも言えない寂しさを含んだその目元に、ティアは目を丸くする。


──ユウが、タマに魔法をかけた──

一瞬驚き一歩引いたリリーナの前には、巨大な姿で美しく佇む狼、それは一歩前へと出、少女のしょっぱい化粧を静かに舐めとった。
一瞬街がざわめきどよめくが、ランスが必死で「映画撮影です!」と、無理のある状況説明をし、なんとか大事にはいたらない。

「リリーナ……タマに、説明してやるんだ。
今なら、話も通じるから……!」

「……ぐす……うん……わかったよ、ユウ…」

少女だけではない、うつむき、両こぶしをがっちりと握った魔法使いの足下にも涙が落ちていた。
剣士の少女は、魔法使いの肩に手を置いて目元を拭う。
ユウは、タマに現実を突きつける覚悟で魔法をかけた。
それがどれだけつらいことだったのかということは、ティアもわかっている。
タマにかかった魔法は、タマを賢くする。
賢いタマなら、別れを、一緒にはいられないことを理解できると思ったからだ。
少し厳しい方法だが、タマが何も理解できないままにリリーナと引きはがすよりはずっといいと、ユウは思ったのだ。
ちゃんと、納得してもらって、ちゃんと、理解した上で別れさせる方法を選んだ。
そっと、リリーナは立派な頬に触れて、一言一言、大事にするように言い聞かせていく。

「……あのね…タマ。
…ごめんね、蹴り飛ばしちゃって…きっとまだ、怒ってるよね。
ごめんね…苦手なんて言って、きっと、傷ついたよね。
ごめんね…助けてもらったのに、怖がったりして。

っ!…ぐす、ごめんね、たてがみのサイズ…えぐ、間違えちゃって……!
……タマ…ごめんね…ずっと…ずっといっしょにいれなくて……

わかって…お別れなの。
もっと遊びたかったけど、もっともっと撫でてあげたかったけど…
できないの……私、行かないと…!」

『終わった』

全員が思った。
もう、タマはリリーナの言うことを理解できている、ちゃんと、お別れの時が来たこともわかったはずだ。
そう思った。

ただの、一頭を除いては。

「──っ!
……タマ……!?」

タマが、頬にあてられたリリーナの両手を振り切るように、大きく首を振った。
別れを理解したうえで拒否したのだ。
困ったようにリリーナの袖に鼻を近づけ、牙を立てないようにそっと口先で挟んで優しく引っ張る。
そして離しては不安そうにリリーナの顔を見て、また引っ張る。
一瞬、大粒が数滴転がる。
しかし、一瞬だった、次の瞬間にはリリーナは目くじらをたてて声を荒げていた。

「えぐっ!だめよ!私!聞き分けの悪い子は嫌いよ!!
離して!……離しなさいよ……タマ……ぐすっ!

わたし……やっぱりあなたなんか嫌いよ……!
乱暴だし!……えぐ!大きくて!怖くて!!」

──タマが袖を引くのを止めた──

そっとうつむいて、数歩下がる。
耳だけを動かし、震えながらその声を聞いていた。

「そうよ!あの時だってあなたに助けてくれなんて頼んでない!
あの時助けてくれたのはあなたなんかじゃなくてティアだったの!
応援したのだって義理よ!あなたが試合に勝とうと負けようと!私にとってはどうだってよかったの!!
みてよ!私の服!高いのよ!?
あなたの毛!よだれ!汚れちゃったじゃないの!
最低よ!もう私に近づかないでよ!
行こ!!ランス!」

「……おっ、おい、リリーナ、そりゃいくらなんでもタマ──

「うるさい!私はあんな子なんて!……えぐっ、獣なんて!知らない!」

言葉とは裏腹に、その表情は悲しみで一杯になっていた。
タマは、静かにうつむいて、その小さな巨体で震えながらお座りをしていた。
振り向いて、歩き始めたリリーナ。
あわててついて行くランス。

ユウとティアは、もう何も言わない。
タマの、好きなようにさせてやりたかった。

タマは、ティアの目をそっと見る。

─伝わる─

ティアは、そっとタマの首もとからちいさなたてがみをはずす。
タマは、静かに駆け出す。

背中に何かがあたった感触がしたリリーナは、ぐしゃぐしゃの顔で振り向き、感触の主と顔を合わせる。

──ちいさなたてがみが、リリーナの頭の上へと静かに置かれた──

「──っ!!」

驚いたリリーナの目の前で、タマは一度だけ頭をおろした。

『もう、わがままは言わない、だから最後にもう一度だけ』

誰から見てもそう見えた。
タマは、リリーナの優しい小さな手を求めたのだ。

大きな顔に、少女が抱きついた。

「うわああああああん!!!!
タマあああ!!!ごめんね!!私!!!
やっぱりあなたが大好きよ!!!!!
嫌いになんてなるわけないよ!!!!!
私だって本当はもっと一緒にいたい!!!
あなたばっかり!!!タマばっかりわがままいってずるいよ!!!
あなただけが寂しいわけじゃないんだから!!!
私の方が!!私が!!うわああああああん!!!!」


ずっと、ずっと抱いていた。
ずっと、ずっと泣いていた。
ずっと、ずっと一緒だった。

今までの、足りなかった部分を埋めていくように。
今までの、伝わらなかった部分を伝えるように。

ただ、ずっと。


しばらくすると、リリーナから最後のわがままが出た。

二人は振り返り、遠ざかっていく。

その内の一人は、たてがみのようなもふもふを大事そうに抱きしめていた。

二人と一頭だけが残された。

その一頭の頭には、戦う可愛い女の子の憧れる、可愛い帽子がのっていた。

姿が見えなくなるまで、獣はずっと背中を眺めていた。
足音が聞こえなくなるまで、獣はずっと耳をすましていた。
匂いが、風だけじゃ届かなくなるまで、獣はずっと鼻を鳴らしていた。

二人と一頭は、次の街を目指し始める。

小さくなった百獣の王は、ティアの腕の中で──リリーナからもらった帽子の中で──静かに寝息をたてていた。

幸せそうに、ただ、静かに寝息をたてていた。

にほんブログ村 小説ブログ ファンタジー 小説へ
にほんブログ村